――顔を真っ赤にして、亜美は怒っていた。



「笑花はかわいいのっ!!

ちょっと湿っぽいけど、気持ちも笑顔も、かわいいのよ!?

『なんか』なんて、あたしの大好きな笑花に言わないで!!」



“ちょっと湿っぽい”って…。
当たってるね。


でも、『かわいい』って言ってくれてうれしくて…。

『大好き』って言ってくれてうれしくて…。


こんなにちゃんとあたしを見ていてくれたことに、涙が出そうになった。


「亜美?ありがとう…」


なぜか亜美も、涙目になってて二人で顔を見合わせて笑った。

「「あははっ!」」





この気持ちが“恋”だと言われて、あたしはうれしかった。


こんなに、ふわふわしてて幸せなものなんだって。


しかもその相手は、天音くんなんだって…。


“初めて”が天音くんで良かったって…。


ほんとにうれしかったの。


だからね…、“恋”が苦しいなんて思ってなかったの…。