「そういえば、家の前だけどいいの?」

「ゔぅー。多分よくない…」

意外に感のいいお母さんのことだから、きっと気づいてると思う……。


「まぁ5年後くらいに迎えに来るから俺はいいんだけどね?」



疑問符が浮かんだあたしを見てクスクス笑ってる天音くんは


「まだプロポーズは早いかな?」

って楽しそう……。


あっ、…。

……ちょっと恥ずかしいけど、あたしはやっぱりうれしくて。





――『初恋は叶わない』

いつかそう言った人がいた。

けどあたしはきっと、いや、絶対にこの初恋を数年後に叶えるだろう。

天音くんとなら叶えられる。

そんな気がする。





二人で目が合って笑い合う。


そしてあたしたちは、もう一度キスをした――。






Fin.