「え?」

なんのことだろう…。


しおらしく俯く天音くんを初めて見た……。


「無理やりキスしたこと…」



ぼんっ!って音が聞こえるんじゃないかってくらい、あの夜を思い出してあたしの頭は沸騰した。


「いや、ほら、ねっ!
大丈夫だよ!
あたし、初めてでびっくりしたけど、別にいやとかじゃ、なかったって言うか!ねっ!?」


自分でも何言ってるのか、よく分かんなくなってきた……。

でも、天音くんを元気付けたくて……。


「あたしが大丈夫なら、天音くんも大丈夫なんでしょ?」


天音くんが言っていた言葉を、あたしは言った。


「でも、俺の腕振り払ったじゃん?」


……あれは、


「…天音くんが…先生を好きだと…思ってたときだし…」