「神様に嫌われてなんかないよ?今までは、俺と笑花が“恋”をするためだったんだよ。」


そう言った天音くんの笑顔は優しくて、あたしはまた涙が出そうになる……。



「“笑花”って名前。
俺はぴったりだと思うよ。

雨が降った後に出る虹みたい」



その言葉がうれしすぎて、

「…ぅ…ふぇーん…」

あたしは天音くんに抱きついて泣き出してしまった……。



「…ありがとぉ……ひっく…」

「…ぅ゙ー……だいすきぃ……」


泣きながらのあたしの言葉に、天音くんは「うんうん」と泣き止むまで頭をなでてくれた。





――そしてまた、あたしたちは手をつないで歩き出す。


いつの間にか、虹は消えていてちょっと寂しくなったけど。

傘は閉じて。

歩幅を合わせて。

あたしたちは歩いていく。