――3年前。



「なぁなぁなぁ!!」

………うるさい。

男子に絡まれることはよくある。

男子も女子もあんまり話さないけど、男子は特に嫌い。


「何?」

あたしは顔を向けようともせず、本を読んでいるふりをする。

もちろん、顔が見えないから誰に話しかけられてるのかもわからない。

「村上ってさ。人と話すの嫌いだろ!?」

「はいっ?」

いきなり図星のこと言われ、おもわず顔を上げる。

「図星?」

この人…。
たしか、杉下 要くん…だっけ?

杉下くんはニカっと笑った。

「あの…、そういうわけじゃ…。なんか苦手っていうか……。」

かっこいい笑顔にちょっとだけ、どきっとしながら答える。

「ははっ。たいして変わらねぇよ。苦手も嫌いも。」

なんか……。
話しやすいかも。

「ふふっ。そうかもw」

ちょっとだけ笑顔がこぼれた。