「ごめんけど…。あたし好きな人いるから。」

そう、あたしにはずっと想っている人がいるの。


「そっか…。」

誰かさんは俯いた。


「……それじゃぁ…。」

あたしは誰かさんに背を向けた。
その場を早く立ち去りたくて。


「なぁ。好きな人って要って奴だろ?」

「へっ!?」

要と言う言葉に反応する。

おもわず振り返ってしまう。

「でも…。もぅ無理なんだろ?帰って来ねぇじゃん。」

そんなこと…。

分かってるよ。

もぅとっくにあたしたちは終わったの。


でも…。


「無理でもやっぱりあたしは要が好きなの。じゃぁね。」


未練がましいなんて、自分でも思うけど…。


要が好き。

あたしは流れそうな涙を必死で止めながら、走って逃げた。