「由愛ちゃん。…ね、良いでしょ?」

「え、わ……。ちょ、…待ってよ」

「だーめ」




ここは毎度おなじみになりつつある屋上の屋根上。


白谷の偽彼女になってから、何度も足を運ぶようになった。

そんな流されっぱなしの私は、今現在も白谷に流されそうになっている。


「なんでそんな迫るの!?私、偽でしょ!?」

「偽とかそんなの、どうでも良いじゃん。……ね?」


どうでも良いって、…アンタ。


私の腰に腕を巻き付け、もう片方の手は私の顎を掴んでいる白谷は、首をかしげて微笑みながら迫ってくる。

……でも、口では抵抗していても、全力で抵抗は、なんだかできないんだ。




「ふぁ……、ん…」


重なり合った唇から漏れる吐息。
いくら白谷の胸を押しても、力が弱まるわけもなく。


「い、やぁ……ふ、ん…!?」


少しだけ唇が離れた時に、油断して口を開いてしまう。
すると、そこから生温かいものが、素早く侵入してきた。