金城瑠璃に言われて、驚きを隠せなかった。
そんなに俺は分かりやすいのだろうか。


「協力しない?あなたは羽月さん、私は白谷くんを自分のものにするために」

「は、何言って…、」

「二人を、別れさせるの」


そう呟いた金城瑠璃の顔は、ぞっとするほど笑顔だった。企みに満ちた顔だ。




放課後の教室。
いつもなら、部活の声がかすかに聞こえるはずなのに、今は聞こえない。


俺は少し考えた後、ふぅっと息を吐く。


「無理だ。俺には、そんな…」

「羽月さん。もしかしたら、白谷くんに、何か利用されてるのかもよ?」

「…え?」


金城瑠璃の聞き捨てならない言葉に、俺は聞き返してしまった。