居たたまれない空気になってしまった。

白谷も珠樹先生も、何も話さない。
全部、私のせいだ。




「あ、私やっぱり、6限目出ます」

「由愛ちゃん、だめだよ。昼に倒れたばっかりなんだよ?」


白谷が少し怒った口調で私に言う。
俯いているから表情は分からないけど、きっと私のことを心配してくれているんだと思う。

それでも私は、自分でこんな空気にしておいてなんだけど、ここにいたくなかった。


「大丈夫だから。珠樹先生、ありがとうございました」

「おい、羽月…」


私は2人の顔も見ずに、扉の方へ向かう。
さっき白谷が鍵を閉めるのを見ていたから、鍵の場所も運良く覚えていて、私はスムーズに保健室から出られた。


「じゃ、失礼します…」

「ちょっと、由愛ちゃ――」


パタン。

白谷の呼ぶ声も聞かずに、私は扉を閉めた。