Dummy Lover



「え…っ!?」


予想しなかった言葉が出てきて、私は目を丸くしてしまった。




この人は、なんとなく苦手だ。
動作が予測できないし、だから扱いづらい。
教師という感じもしない。

なんと言うか、不思議な感じの人。




「あ、やっぱり、知らねぇんだ」

「それは…、」


図星をつかれているので、私はどうしようもなかった。


「ったく…、書類上は何回か保健室来てることになってんだから、俺の名前くらい覚えとけよ」

「しょ、書類上…?」

「お前、たまに『保健室行ってました』って言って、授業出てねぇだろ?」

「え…」


さらに、桜ぐらいしか知らない秘密をあっさりと言われて、私は頭が真っ白になってしまった。

やっぱりこの人苦手だ…。