「あ、白谷…、ですよね?」 「そう。絶対聞くと思ったけど」 そういえば、そうだ。 私を保健室に連れてきてくれたのは、絶対白谷なのに。 桜はそれを知らなかった。 私はそこまで考えて、保健医に目を向ける。 「先生、頼まれたんですか?」 「は、何を?」 「白谷に、私をここに連れてきたこと、黙っててって…」 私がそう聞くと、保健医は少し考えるようなそぶりを見せた。 「あのさ、もしかして、俺の名前知らねぇの?」