「保健、室…?」


周りを見渡したりして、状況を把握した結果、この場所の答えを導き出す。


「そうよ!全く…、いきなり倒れたらしいじゃん!具合悪いんなら、言ってくれれば良かったのに」

「ご、ごめん」

「男子がここまで運んでくれたんだってよ!名前、分からないけど…」


桜の言葉を聞いて、まだちゃんと働いてなかった頭が、一気にフル回転し始めた。




そっか、私…。

屋上に白谷といて――




そこまで考えると、シャッという音が聞こえ、さらに周りが明るくなった。
ベッドの周りのカーテンが開かれたのだ。


「お、目覚めたな。意外と早かったなー」


声を聞いて男の人だと分かり、私は首をひねって声のした方を向く。
そこには、白衣を羽織り、黒縁メガネをかけた、いかにも保健医な男性が立っていた。