びっくりした。
私はエセ優等生で。
ポーカーフェイスには、自信があったから。
こうも簡単に見抜かれるだなんて…。
「な、なんでもない!ちょっと寝不足…」
「ホントに?」
「本当だってば!」
寝不足は本当のことだから、嘘はついていない。
でもしつこく私の顔を覗き込む颯太には、なぜか見透かされるような気がした。
「ま、いいけど。何かあったら言えよな」
「うん。ありがと…」
颯太は、案外あっさりと引いてくれた。
でもきっと、私に何かあった、ていうのは、お見通しなんだと思う。
颯太が、心配してくれてるのを見ると、何だかとても、自分が悪いことをしているような気分になった。
でもそんなこと、誰にも言えるはずがなく、私は颯太と共に、学校への道のりを歩いた。