夏が終わる



一週間が経とうかという金曜の晩、携帯が鳴った。
草太からだった。
ネガティブな考えを払うように目を固く閉じた。唇を噛んでおそるおそる電話に出る。


「もしもし…」


電話の向こうの草太の声は思いの外明るかった。


草太は私をデートに誘ってくれた。
自然と口元が綻んだ。


いつぶりだろう。
ずっと部活があったから…。


そう思ってからハッと気づいた。

「部活は?」

少し間があった。

「オフだよ」
「そっか…」