「試合の2日後、練習があったんだ。
そこで、先輩がいないのを見て、やっと終わったんだって気づいた。
そしたら無性に怖くなって、
俺が、
俺のせいだって…」
草太は泣いていた。
気づくと私も頬がぬれていた。
うん、と私は相槌を打って草太の手を強く握った。
「試合に出れない3年生もいたのに。
俺は先輩から野球を奪ったのに。
俺が…俺が野球をやってていいのかって…。
バットを握る度に捕られたフライを思い出して…」
うん、うんと私は相槌を打つことしか出来なかった。
それから暫く草太は何も言わずに泣いていた。
私も静かに涙を落とし続けた。

