夏が終わる




草太のせいじゃない!!


そう言いたかった。

でも言えなかった。
多分皆自分を責める彼にそう言ってきた筈だ。


「俺があの時フライなんかあげなかったら!ヒットを打っていたら!せめて塁に出ていたら!」

「草太!!」


名前を呼ばずにはいられなかった。
彼が、消えてしまいそうな気がして。


俯く彼の手をとる。
マメと瘡蓋だらけの固い手だった。