僕は体の中から熱くなるのを感じながら、足元の子猫を左手で抱き上げ、右手をパスケースに伸ばしながら、 「彼女だったら…、横顔の写真なんて入れません…。返して下さいよ…。」 と、訴えかけた。 「わかったわよ…、返すから…。耳まで紅くして…可愛いね…。」 と、パスケースを僕に渡しながら大笑いしている。