「これ…君の?」

声のした頭の上を見上げると、大学生くらいのお姉さんが僕のパスケースを持っている。

「あ、そうです。有難うございます。」

僕がお礼を言って、手を伸ばすと、お姉さんはパスケースを高く持ち上げて、

「中の写真の女の子…彼女?」

と、ニヤニヤと笑う。