「聖女は命の時間と引き換えに魔女を封印するの。だから先代は皆そうやって代替わりしたの」
「じゃあアメリアは…」
「ワルプルギスの夜には」
きっとこの世に存在してない。
「そんな…嘘だろ…」
「本当よ。力を使う度に私は命の時間を対価として払ってる」
「ならなんでお前は力を…」
なんで…?
そんなの決まってる。
「私にはやらなければならない事がある。その目的の為よ」
メフィスト・フェレス…
あいつを殺す為に…
「目的って何だよ…命をかけなきゃだめなのかよ!!」
「それは言えない。でも払えるものは全て払う」
この目的の為なら!!!
全ての元凶を壊す為に!!
あいつが家族を、私達聖女の未来を奪った。
「さっきの、メフィストがなんとかと関係あるのか?」
…フィリナの言葉、覚えてたの…
全く……
「死にたくないなら関わらないことね。フィリナだって言ってたでしょ?」
死期が早まる…と。
それだけあの悪魔が強いという事。
「これ以上知れば戻れなくなる。死ぬ覚悟があるなら別だけど」
「じゃあお前はあるのかよ。死ぬ覚悟なんて誰にも…」
「ある」
私は迷い無く言い切った。
「聖女として君臨したその日から、死ぬ覚悟は出来てる。ただ、今は目的の為に死ぬわけにはいかない」
「…その目的を果たしたら…?」
「その時私は役目を果たして死ぬでしょうね」
それが私の運命なんだから…


