セイントロンド




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「…飲めよ…」

「あ…ありがとう……」


カインに出されたお茶を一口飲む。


「はぁ…」


なんか一日が長かったな…
今日は疲れた……



「で、話してくれよ」

「うん…わかった…」


私は深呼吸をする。


まずはどこから話せばいいか…


「そうね、私は聖女と神父の子として生まれた。お母さんとカインは面識があったみたいね」

「俺とアメリアの母さんが…?」


驚いてるって事はカインは知らなかったのね。


「ついでだから話してあげる。あなたみたいに魔女の混血がいるのは珍しくないの」


「なっ…俺は今まで混血に会った事ないぞ!!?」



そりゃそうよ…



「混血は生まれてすぐ、もしくは見つかった時点でうちの教会の施設に隔離されるの」

「じゃあ俺はなんで…。俺はここでテルノリアっていう女に育てられたんだ」



テルノリア……
やっぱり母さんだったんだね…



「それは先代聖女、テルノリア。私の母親」

「嘘…だろ……」

「あなたの眼帯にお母さんの封印が施されてた」

「眼帯はテルノリアさんにもらったものだ。そうか…あの人、聖女だったのか……」


カインは眼帯を手に俯いた。


「俺をずっと面倒みてくれてたんだ。本当、俺は何も知らなかったんだな…」


カインは遠い目をしている。何かを思い出しているのだろうか…



お母さんが助けたカインと、娘の私が出会ったのは運命かもしれない。


「聖女というのはワルプルギスの夜に聖女が魔女を封印するのが仕事なの」

「それは聞いた。それでテルノリアさんは死んだんだな…。その、お前の父親も一緒に…」


「知ってたの?」

「メアリーから聞いた」

「そう…」



カインは罰が悪そうに俯いた。


「悪かった、勝手に聞いて…」


何故か謝られた。


メアリーにも考えがあったから話した、それだけ。
謝る必要なんかないのに…

それに…


「一応母さんはあなたの育ての親でしょ。あなたが知るのは当然のことよ」

「…ありがとな。テルノリアさんは突然姿を消したからな、ずっと心配だったんだ。そうか…死んで…」



私はもう受け入れている。けどカインは…


今知ったんだものね…



「悪い、続き話してくれ」

カインは少し目元を拭い、顔を上げる。


もう…大丈夫なの…?


心配に思いながらも私は話しを続けた。