セイントロンド



―――――――――――
―――――――――
――――――


「…カイン…」


神殿からの帰り道、黙ったまま先を進むカインの背に声をかけた。


「……………………」



呼び掛けてもカインは何も反応しない。


怒ってるんだろうか…


「…じゃあそのままでいいから…聞いて」


多分、私が何かを隠している事に怒ってるのかもしれない。



「あまり…詳しい事は言えない…。でも…」


話せる所までなら…


一応私は聖女だ。
私には聖女に関する一切を語る事を禁じられている。


それに…
知るという事は関わるという事…


巻き込みたくない…



「私は聖女という立場だから、あまり多くは語れない。それでも…話せる限りで話すから…」


そう言うと、カインは足を止めて私の腕を掴んだ。


「カイン…?」

「ここじゃ誰に聞かれるかもわからない。俺の部屋に行くぞ」



カインに引きずられながら私達はカインの部屋へと向かった。