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「…カイン…」
神殿からの帰り道、黙ったまま先を進むカインの背に声をかけた。
「……………………」
呼び掛けてもカインは何も反応しない。
怒ってるんだろうか…
「…じゃあそのままでいいから…聞いて」
多分、私が何かを隠している事に怒ってるのかもしれない。
「あまり…詳しい事は言えない…。でも…」
話せる所までなら…
一応私は聖女だ。
私には聖女に関する一切を語る事を禁じられている。
それに…
知るという事は関わるという事…
巻き込みたくない…
「私は聖女という立場だから、あまり多くは語れない。それでも…話せる限りで話すから…」
そう言うと、カインは足を止めて私の腕を掴んだ。
「カイン…?」
「ここじゃ誰に聞かれるかもわからない。俺の部屋に行くぞ」
カインに引きずられながら私達はカインの部屋へと向かった。


