「………………ふぅ」
空を見上げれば、心とは裏腹に晴れ渡っていた。
空は綺麗だ……
なのに世界は汚い。
私の生きる世界………
「あの…さ………」
カインがおずおずと声をかけてきた。
「…何か用?」
全く同じ返答を返す私は可愛いげ無いんだろうな…
別に、恋愛とか興味ないし。どうせすぐ消えてしまうのに…大切なモノを作るなんて出来ない。
未練が残って、私も母さんと同じように生きたいと願ってしまう。
生きたいと願っても、母さんは死んでしまった。
悲しい世界……
「…泣いてるのか……?」
カインは私に手を伸ばし、目元を親指で拭う。
その動作を呆然と見つめていた。
泣いてる……?
"誰"が………??
「さっきも泣いてたろ。だから気になって…」
カインの瞳は髪とは対象的な碧だった。
気になってって………
赤の他人がどうして…
「変な人…他人の事なんてほっておけばいいのに」
「ほっておけなかったんだから仕方ないだろ!泣いてる女を見ぬふりなんて…」
…ジェントルマン?
ただのお人よし?
というか…………
「あなた私が誰だか分かってる?」
私は聖女で、普通なら話しかける事すら皆躊躇するのに…
「…………?
名前ならまだ聞いてないけど?」
素っ頓狂の答えが返ってきた。
駄目だこの人……
全く話しが噛み合わない…
「もういい。…私はアメリア」
みよじは言わなかった。
この世界にとってワルプルギスというのは崇める神に値する。
私だって人で在りたいと願ってはいけない?
メアリーでさえ私を神のように見る時がある。
それが辛い。
私は私でしかないのに…
「アメリア…。よろしくな、アメリア」
カインはニッと笑い私の手をとった。
「…二回も呼ばなくていいから、あと、この手何?」
私は握られた手を目の前へと持ち上げる。


