「カイン…」
隣にいるカインを見ればどこか顔色が悪かった。
「どうしたの?」
「いや…大丈夫だ……」
明らかに大丈夫じゃない。顔は真っ青で玉のような汗をかいてる。
「嘘言わないで、顔色が悪いよ」
確かにこの状況では気分も悪くなるけど…
それだけでここまで…?
「真実の瞳よ…映し出せ」
「本来の姿」
「本来の心と魂を」
―ピカッ
「うがああああああぁっ!!」
真実の瞳から光が瞬いたのと同時にカインが叫び声を上げる。
「カイン!?」
眼帯を強く抑えうずくまるカインに駆け寄る。
とっさに手を伸ばすと…
「触る…なあああああ!!!」
―バチンッ
「っ!!」
手を弾かれただけなのに体が後ろへと吹き飛ぶ。
「うっ…カイン………?」
よろよろと立ち上がりカインを見つめる。
カインの右目、眼帯からどす黒い闇が吹き出ていた。
「なんと…真実の瞳が…」
「魔だ…魔の者が!!」
「あぁ…闇が近い…」
賢者達が騒ぎ出す。
真実の瞳は鮮血のように紅黒く染まっていた。


