「私の護衛よ、中に入る事を許可して」
「それは私が決める事では無い。審議を」
審議……この神殿に立ち入れるか否かを決める先例だ。
「分かったわ。カイン、審議を受けて」
「何だ、そりゃ」
カインは首を傾げる。
「大丈夫、真実の瞳をのぞけばいいだけだから」
「真実の瞳…?」
真実の瞳………
隠れた魔を見抜く力。
「さぁ、審議の間へ」
神殿とは反対の建物に私達は案内される。
―ギィィィ…
扉が開かれ足を踏み入れるとそこには……
魔を見抜く力を持つ透明な宝石、"真実の瞳"があった。
「前へ」
私達は促され瞳の前へと立つ。
「審議を」
「魔を見抜け」
「本来の姿をさらせ」
私達を囲うように賢者達が口々に言う。
ここに立っているだけで責められているような気になる。


