春風-しゅんぷう-

「あ!花に水やりをするの忘れてた。1年の時の美化委員がやんないといけないんだよな~・・・」



「行って来たら?私本読んでるから!」





そう言って絵里奈は机から本を取り出す。ホラーサスペンスモノらしい。
『早く!』と絵里奈が言うので急いで花壇に向かった。



花壇は体育館裏にあって、分かりにくい場所にある。しかも2年生の校舎からは遠い。
正直、早めに学校に来てて良かった。


そんなことを思っていると、花壇についた。




「つい・・・た・・・」




花壇には、1人先客がいた。私とあまり身長差がない少年だ。
名札が白だから1年生だろう。名札には〃社〃と書いてある。
〃ヤシロ〃と読むのだろう。

(・・・にしても)




なぜ、新入生という立場のはずの少年が花に水をやっているのだろう?



ジョーロはもちろん、花壇の場所さえも知らない2、3年生もいるくらいなのに社は、花に水をやってる。


正直ありえない。

そんなことを思っていると社が私に気づいた。