あたしの心臓が今までで一番大きく脈打つ。 椎名……織斗…。 あたしはその名前を聞いただけで、吐き気がした。 それと同時に巨大な恐怖感が襲ってくる。 あたしは戸惑いを隠して、平然を装う。 「……誰それ? 知らないけど」 あたしがそう言うと、女の人は “そっか” と言って、どこかに行ってしまった。