「ママー!!」


勢いよくあたしに向かって走ってくる、

愛娘の【愛】。
あたしの元にこの子だけが残った。
あたしの一番の宝物となった。


あなたが残してくれた
ものすべてがあたしの宝物となる。


「愛、おいで…」


あたしはにっこりと微笑んで
両手を広げた。


「─…」


あたしの胸の中におさまる愛おしい愛。


「ママこんなところでなにしてるの?
雨に濡れてお風邪ひいちゃうよ?」


首をかしげてあたしを見つめる愛。


「そうだね…、
お家にはいろうか」


「うん!!」


愛とあたしは手を繋いで
いえへと帰っていった。