「もーいいや…」


潤はそうこぼすと、肩を下げて歩き出した。


「そこの女子ー」


へ?

後ろから、
「本鈴なるぞー」
と男の声がした。


潤はゆっくりと後ろを振り向いた。


「…」


「何見てんだ、走れ!!」


「…!?」


先生はそう言うとあたしに向かって走ってきた。


えっ、えっ、えーっ!?


意味が分からなくなってあたしはその先生から逃げるように走り出した。


無我夢中で走って理科室まで休まずに走った。


「つ…疲れた…」


理科室に着いた潤はゆいにもたれかかるように寄りかかった。


「走ってきたの?

お疲れ様じゃーん」


「だって…先生が…、」


キーンコーンカーコーン…


「先生?ほら席につきなよ」