「潤!!次移動だよ!?」


念願の高校入学から半年の月日が経ち高校生活にも慣れてきた頃。

それは起きた。


「あ、ない…
…先に行ってて!!」


「え〜?もーわかった!先に行ってるからね!」


高校にはいって出来た友達のゆいは潤の言ったことにあんまり納得しなかったが、潤の言うとおりに先へと急いだ。


潤がいる教室には誰もいなくて
ガタガタと窓がゆれる音の他にはなにもならなかった。


あれー?

なんでないんだろ…


潤はガサガサとかばんの中をあさる。


下敷きがないのだ。


「もーいいや…」


潤は諦めも肝心だと思いすくっと立ち上がって理科室へと急いだ。

理科室は第二校舎にあるから
なおさら走らなければならなかった。



「いやー…
あと1分で本鈴だよ…」