慶の告白を聞いて 潤はキュッと唇を噛んだ。 「…先輩、」 「柳瀬は………」 「言わないで…っ あたしは、空しか… 空しか無理だよ──…っ」 何度聞いただろう。 先輩からの告白を。 「潤──…」 「もう遅いの… 先輩は遅かったの… あたしは──…っ」 「…─」 先輩の告白は高校時代のときを深く、掘り返した。 そしてあたしの 大きな心の傷を えぐり出した─… そして、開かないように鍵をしたはずの扉を、開いた。