私は夜の帳が落ちかけの舗道を1人で歩いて、最寄の駅を探した。



道路を行き交う車のヘッドライトが視界を眩ます。



それだけ、夜の闇が濃くなっていた。



「おい!?」


歩いてる私を呼び止める男性の声。



見覚えのあるバイクが私に近寄って、停まった。



「佐久間君!!?」



「それ、逆方向だ…」



「えっ!?」



「何もしないから…乗れ」



私にメットを渡す。