精算も彼が担当。


胸元のプレートで苗字だけは分かった。


彼は佐久間君。



皆で店を出て幼稚園に向かって歩き出す。



「お客様!!」
あの彼が私たちを追いかけて来た。


「!?」

彼の手には見覚えのあるハンカチ。
彼は私がテーブルに置き忘れたハンカチを手にして、わざわざ、走って届けてくれた。



「これお忘れ物です・・・」



「あ、ありがとう」



私は彼からハンカチを受け取った。
私がテーブルに置いていたハンカチを彼は憶えていた。