「・・・」


『留奈さん・・・』



久しぶりに捺以外の(哲さんは例外)男性に呼ばれた。


至近距離で重なる視線。


お父さんに声のトーンも似ているし、私の身体に甘い痺れが走った。



お金はあるけど、ホストクラブなんかに足を運ぶ時間なんて、私にはない。


「紹介って言われても…困るわ…」



「そっ…」


佐久間君は残念そうに顔を歪めて、視線を逸らして、顔を離す。



「・・・ゴメンなさい。力になれなくて」