佐久間君のコトを頭の片隅で考えながらも、



捺との仲に、家庭に水を差すような真似はしたくない。



我侭なお姫様は今は全てに満たされていた。



他者が私と捺の間に入ったコトで気付くなんて、愚かだけど。




父と母となり、リアルな日常生活に忙殺されていく。


親である前に捺と私は男と女。




岳と魁のママとなり、



幼稚園では岳君魁君ママと呼ばれ、私は唯の2人の世話人にしか思えなくなっていた。久しぶりに佐久間君に呼ばれた自分の名前に自我を戻した。



女として自我を。