【 側にいるよと笑うから 】





『あたし、告白するよ。』


『マヂで?!頑張って。』



白黒はっきりさせたい性格からか、入学してまもなく、すでに奈央は杉本に告白することに決めていた。



『だからさ。小春、ついてきて。』


『うん。...え?!』



『影にいるだけでいいから。小春の勇気がほしいの。』


『おお、おう。まかしとけっ!』


見えないところにいてくれるだけでいいから。

奈央に頼られたことが嬉しくて、素直に了解して、放課後教室の教壇の下に隠れていた。

奈央は可愛い。小さい頃から剣道をしているけど、男の子のようなわたしとは違って、強く綺麗だった。そんな奈央はわたしの自慢でもあったし、憧れてた。



『ブスは眼中ねぇから。』



だから杉本の言葉が、なにより奈央を傷つけたことが許せなくて、追い掛けてぶん殴ってやろうとした。

自分のクラスに入っていった杉本を見つけて、叫ぼうとしたら、話し声が聞こえた。