【 側にいるよと笑うから 】





「てめぇこのやろ。勝負しろっ!!」


「は?全く意味不明なんですけど。」



自主練がちょうど終わったのか、汗だくの杉本は、面を抱えて更衣室に入る一歩手前だった。

わたしはダッシュでここまできたからか、息切れが尋常じゃなく、話すのもやっとの状態だった。



「おい。大丈夫か?なにを「初めてあんたを見た時っ!!」



でも今言わなきゃ。
ずっと逃げて隠していた気持ちをぶつけなきゃ。



「ブスは眼中ねぇとか言って振ってた。」


「...あ?」


「...奈央を振ってた。」