【 側にいるよと笑うから 】





「ははっ。新田って意外とおっかねぇなぁ。」


「...あぁ。よしっ次!追い込み!!」


「うちの部長もおっかね。」



部長を中心に、厳しい練習は続いた。さすが全国クラスの学校、練習時間も長い長い。

練習が終わったのは、蝉が鳴き止んできた夕方だった。



「いやぁ今日も頑張った頑張った。」



部員達が掃除や片付け、帰り支度をする中、格技場の真ん中にごろごろと寝っ転がってみる。



「小春ー?先に帰るよ。」


「ん――お疲れぇ。」


「「「「お疲れさまでした!!」」」」



男子部員も女子部員も帰り、静まり返る格技場内。
勢いよく起き上がり、まだ片付けていなかった面を再びつける。

いつもの日課。練習はまだまだ終わっていない。