【 側にいるよと笑うから 】





「新田 小春...一生の不覚...。マヂでありえない。」


「そんなことどうでもいいから。さっさと指示出してよ、部長。」



只今、夏休み初日の練習中。

格技場を半分に仕切った向こう側では、男子の迫力ある気合いが聞こえる。



「まだ休憩中じゃーん。自己嫌悪に浸らせてよ。」


「もう、そんなに嫌うなら杉本のことなんかほっとけば良いでしょ。」



副部長が呆れたようにため息をつく。その横で子供のようにごねている部長。どっちがどっちだか分からない、こんな状況はいつものことだ。



「何で新田が部長なんだろうな。鮎沢のほうがよっぽど合ってると思うけど。」


「隆哉、集中しろ。」



男子部のみなさんも、この事実が疑問らしい。



「お前のこと、やけに嫌ってるしな。」



からかうように笑う男子部副部長。眉間にしわを寄せるとため息が出た。



「...それはあいつが一方的に「めぇ――ん!!」