【 側にいるよと笑うから 】





「はい。これうちら(女子部)の練習メニュー。」


「おう。」



女子部と男子部のノートを広げ見比べる。

何を隠そう、私達は剣道部の部長だ。と言っても、男女の部活が交わることはあまりというか、全くといってない。練習する場所は一緒だが、ローテーションを組んでいるので1つの場所を一緒に使うなんてまずない。

こいつと同じ剣道部だったことを知ったのも、3年生が引退し新しい部長として挨拶に言ったときだ。その時の私の驚愕ぶりといったらは、とんでもなかった。



「...まぁ、あんま変わりはねぇな。」


「当たり前じゃん。指導者一緒だし。」


「問題はここと...ここだな。お互い部特有のメニューだ。」


「あー...でもこれは、あんたのとこのこの練習と似てるから...でも...うーん。それよりこっちのほうが良いかなぁ...」



剣道一筋12年。
剣道のこととなると熱くなり、そのことしか考えられなくなる剣道少女。

今も、目の前に大嫌いなこいつがいるのを忘れて、夢中でメニューを考えていた。