折角の、大好きな剣道を毎日朝から晩までみっちりできる夏休みなのに。何が嬉しくてこんな奴と。
「さ――い――あ――く――!!」
「いちいち叫ぶな。うぜぇ。」
だいたい産休ってなんなんだ。先生一言も言ってくれなかったし、気づきもしなかった。
絶対私が男女合同なんて反対すると思ったな。だから敢えて言わなかったな。
「先生...恨みます...。」
「ぶつぶつ言ってねぇで、さっさとメニュー考えるぞ。時間が勿体ない。」
「分かってるっつーの!!」
放課後の教室。机を挟んで向かい合わせに座る私達。端からみれば青春している男女かもしれないが、そんな空気微塵も感じられない。いや、感じたくない。

