「え…?
何か言いましたか?」

夢中で食べる舞花の耳には届かなかったようだった。

朝陽はそんな言葉を口に出した自分に
驚いていた。

「こんな生活、無縁だと思ってたのにな…。

ホントに不思議な奴だ…。
俺がこんな気持ちになるなんて…。」

朝陽は舞花の食べる姿を優しい眼差しで
見つめていた。

それは、あまりにも久しぶりに訪れた
穏やかな時間であった。