「瑠奈。」

朝陽でもない声が瑠奈を呼んだ。
誰かが迎えに来たようだった。

「パパ。」

瑠奈は顔を上げ、パパと呼んだ男性の元へ
駆け寄った。

「悪いね朝陽君、娘が迷惑を掛けてしまったようで。」

パパと呼ばれた初老の男性は朝陽へ向かって
頭を下げた。

「良いんです。いつでも来店ください。
今度は、奥様もご一緒にお待ちしています。」

朝陽は爽やかな笑顔を向けた言った。
すると瑠奈は男性と腕を組んで歩き出した。

「朝陽君。また、来るよ。
その子と一緒にまた話したい。」

と舞花を指さし、瑠奈は去って行った。

「わたし…?」

何がなんだか分からない様子の舞花は瞳を
パチパチとさせていた。

(いったい何だったんだろ…???)