「イテテ…。」

階段教室の椅子は堅く、冷たいので腰に負担が
掛った。

「そうだ、舞花。
実習先に事前オリエンテーション行ってきたんだって?
どうだった??」

梨花が興味深そうに聞いてきた。

「うん。挨拶に行ってきたよ。

…なんか、指導してくれる人はちょっと怖そうな
人だったなぁ…。」


「梨花と海智はどこに実習行くんだっけ?」

「オレは大学の系列の特養。
(*トクヨウ:特別養護老人ホーム=介護老人福祉施設)」

「あたしは病院じゃない相談機関。地域包括だよ。
(*チイキホウカツ:地域包括支援センター)」

舞花達はこれから始まる1ヶ月という長い期間の
実習を前に不安一杯といった様子であった。