“ちょっとどうゆうつもり?!未夢が常田君のこと好きなの知ってるでしょ!”
朝練の為に朝早く学校に来たら、未夢を含め6人の女子達に玄関で待ち伏せされていた。
“なのに、2人っきりでなに話してたワケ!?”
『そんな大したことじゃなくてっ、』
“あんなに顔近づけてたくせに?”
“あたし知ってるんだから!なつちゃんが常田君に告られたのっ”
それは違う。未夢のことが好きだと相談されただけだ。
そして近づいてたのは、脈ありだと伝えたら、ただついたまたま近付いてしまっただけだ。
“しかも、振るならまだしも待っててとか言ったんだよ!さいてー”
『それは…っ』
違うよ、常田君は未夢のことが好きなんだよ。
あたしは縋るように未夢を見た。けど、目が合った瞬間逸らされてしまった。
まるで軽蔑したように。
“未夢。絶対、未夢のこと馬鹿にしてるよ?”
“うんうん、だって知ってたくせに断らなかったんだよ!?”
別に、他の人に何を言われようが構わなかったの。
未夢が分かってくれれば、良かった。…なのに、
“…そう、だよね”
あたしと目を会わせないまま、そう言った。
どうして。と同時に疑うようなことをしてしまった自分を恨みながら、素直にこのイジメにも耐えた。