「そうよ。」
私はつとめて明るく言った。
「ちょっといろいろあってね…」
私は大臣から預かった『帰宅命令書』をテーブルにおいた。
それを見たマリアはぱっと私を見て、言った。
「最初は18年間という話でしたけど、短くなってもいいんですね?」
「えぇ。その辺はなんとか。日本政府側としては早く帰国させたいみたいなの。」
「ふーん。なら今日にでも帰国してもらいましょう。」
「あ、そんなに急いではないの。別に明日でも…」
「大丈夫です。今日で。」
「えっ、でも、もう会えないんだからお別れパーティーとかすればいいのに。」
「奈々。残念ながら私もタケシもロボットです。」
「あ…」
私は肝心なことを忘れてしまっていた。
