知らないとわかっていたものの…
やっぱり衝撃的だった。
「あなたは。」
「ロボット界の子供じゃありません。」
「…」
「あなたはロボットではありません」
「…え」
「あなたは人間です。」
マリアが 静かにいった。
「あなたは日本政府に預けられた人間界の子供です」
「なんでそんなこと言うんですか。第一あたしの名前はかたかなです。」
美香は私の座っているいすに書いてあるミカという名前を指差した。
「人間なら名前を漢字にしなければといけないという『命名法』という法律があったはずですが」
『命名法』とは…最近ロボットと人間の違いが外見だとさっぱりわからなくなったのをいいことに、ロボットが人間の待遇の良さを目当てに自分のことを偽ってしまうのではないかという心配から日本とロボット界共同で作られた法律だ。
これにはロボットは必ず名前をかたかなにしなければならない、人間は必ず漢字にしなければといけないというものだった。
「美香には人間であることを知らしてほしくないからロボット界にいる間は名前をかたかなにするよう言われていました。」
「あなたの本当の名前は」
マリアは私から帰宅命令書を取って美香に見せた。
「木村美香。今まで慣れ親しんできた『キムラミカ』ではありません。」
