「それでも嬉しいです!ありがとうございます!!」

「っ…」


先輩は私を見て呆然としている。

あれ…私何か変なこと言ったかな?


「先輩?」

「ぷっ、ははは!さっきまで絡まれてたのにホント元気だな」


そう言って、お腹を抱えて笑う先輩。


先輩が…笑った…

それだけで泣きそうなぐらい嬉しかった。



「先輩も応援席で観戦しませんか?」

「…俺はいい」

「でも、「「葵ちゃーん!!」」


振り返ると、若菜先輩が校庭から焦ったような顔をして走って来るのが見えた。


「じゃ、俺行くわ」

「先輩!子供達は!?」

「終わる頃に迎えに来る」


先輩はそう言って、ポケットに手を入れて校舎の方へ歩いて行ってしまった。