「マネージャーのこと考えてくれた?」
「…え?」
…マネー…ジャー?
話って、もしかしてその事?
全く予想していなかった言葉に、強張っていた身体から力がスゥッと抜けて行く。
「なんだ、そのことか…珍しく真剣だから何かあったのかと思ったよ」
恭介のことだから、きっとまた私の反応見て面白がってたんだわ。
私をからかうのが趣味って言っていた小学生の頃の恭介を思い出す。
ニヤッと悪戯そうな笑みを浮かべて。
それはもう憎たらしい程で。
あの時、『恭介の馬鹿!恭介なんて嫌い!』って泣いて叫んだんだよね。
昔を思い出して「ふふ。懐かしい」と恭介に目をやると、
「……っ」
まだ真剣な表情を崩していない恭介に、私は息を呑んだ。
「俺、葵にマネージャーやってほしい」
「…きょ、恭介…?」
「葵がマネージャーやってくれたら…側で応援してくれたら、俺もっと頑張れる」
恭介の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
真剣な表情から一転、恭介からヒシヒシと緊張が伝わってくる。

