「…泣いてもいいぞ?誰にも言わないから」
「…うっ…ひっく…」
私は手紙を握り締めながら静かに泣いた。
暫くして車は空港付近まで来た。
「もう大丈夫か?」
「はい。沢山泣いたので大丈夫です」
「そっか。空港着いたら先に降りて行け。俺は車止めて向かうから」
「先生。ありがとうございました」
「その笑顔を桜井に見せてやれ」
先生はそう言って優しく微笑んだ。
空港に到着した頃には10時を少し過ぎていた。
私は車から降りて電光掲示板で確認し出国ゲートを探した。
「ここだ!先輩…いない…」
出国ゲートに先輩の姿は見当たらなかった。
携帯を鳴らしても電源を切っていて繋がらない。
「間に合わなかった…」
携帯から流れる機会音が悲しかった。

