その後、那奈と合流して購買で昼食を買った。


那奈は先輩のことには一切触れてこない。

さっき何があったのか、絶対に気になってるはずなのに。

それどころか、明らかに口数が少なくなった私に気を遣って会話が途切れないように色んな話してくれている。

そんな心優しい那奈に、思わず笑みが漏れた。


「それからね、昨日は……「「ねえ、那奈…話…聞いてくれる?」」


那奈は「勿論!」と嬉しそうな笑みを浮かべた。




「私達、同じだね。忘れられない人がいて、その人とここで再会した」


私は中学の時に先輩に片想いをしていたこと、先輩が卒業してからも忘れられなかったことを話した。


「ホントだね。那奈はあの後小林先生と話せた?」


確か小林先生は二年生の英語を受け持っているって聞いた。

私達一年とは接点がないから、自分から行動しないと会う事すら難しい。


「…それがまだ話せてなくて」


那奈はしょぼんと肩を落とし、ため息を漏らした。